自分のパソコンやスマートフォンには、どのようなデータや情報が保存されているのか、正確に把握できていますか？
データや情報は目で見ることができません。
とても重要な内容であっても、自分しか知らなければ、自分にもしものことがあったときに、誰も何もわからないまま放置されてしまいます。
この記事で、デジタル終活の必要性を理解して、デジタル終活をやらなかったときのリスクを回避しましょう。
デジタル終活とは？
「デジタル終活」という言葉を聞いたことがあるでしょうか？
終活とは、「人生の最期を意識しながら、これからの人生を自分らしく生きるための準備を行い、亡くなった後に備えること」です。
パソコンやスマートフォンには、プライベートなもののほか、さまざまデータや情報が保存されています。
「デジタル終活」とは、パソコンやスマートフォンに保存されたデータや情報を整理し、死後に、家族に必要な情報が伝わるように備えておくことです。
一般の終活との違いは？
一般的な終活では、現金や不動産など目に見えて実在する財産を対象にしています。
一方でデジタル終活は、目には見えず実在しないデータや情報が対象になります。
デジタル終活の目的
デジタル終活の目的は、パソコンやスマートフォンに保存しているデータや情報のうち必要なものを残し、死後に家族に必要な情報が伝わるようにしておくことです。
インターネットバンキングやネット証券を利用していることやログイン情報を家族が知らなければ、具体的な資産内容がわかりません。
もしかしたら、インターネットバンキングに1,000万円を超える預金があったり、ネット証券で高額な株を保有していた、ということがあるかもしれません。
具体的な資産内容がわからないと、相続財産を把握することができず、相続上のトラブルが発生してしまいます。
また、他人に知られたくないプライバシーに関する情報については、パスワードを付けて管理しておくなど、早めに適切な対応が必要です。
デジタル終活の対象になるもの
ではデジタル終活は、どのようなものが対象になるのでしょうか？
自分にしかわからない、では残された家族が困ってしまいます。
自分にもしものことがあったときに、家族が困らないように、必要な情報がきちんと伝わるようにしておくことが大切です。
また、他人に知られたくないデータや情報には、パスワードを付けて管理するなど適切な対応をして、不要なものは早めに処分しておきます。
デジタル終活では、次のようなものが対象と考えられます。
- インターネットバンキングやネット証券の金融機関名、ログイン情報 など
- 有料サービスの名称、URL、ログイン情報、料金、解約方法 など
- ＳＮＳアカウント
- 交友関係の連絡先
- 写真や動画
デジタル終活をやるべき3つの理由
なぜデジタル終活をやらなければならないのでしょうか？
デジタル終活をやらなかったら、どのようなリスクがあるのでしょうか？
量が膨大で把握しきれていないデータや情報の保存場所や内容を把握するため
これまで集めてきたデータや情報、そして写真や動画などをパソコンやスマートフォンに入れたままになっていませんか？
まずは、現在自分が使用しているデータや情報にはどのようなものがあるのかを把握してください。
そして、今後も必要なものなのかを判断して、不要なものであれば処分するという行動が必要です。
他人に知られたくないデータや情報をしっかりと管理するため（プライバシー保護）
自分のパソコンやスマートフォンの中には、他人に知られたくないデータや情報が必ずあるはずです。
トラブルを引き起こさないためにも、パスワードなどによる徹底した管理が必要です。
自分にもしものことがあっても、引き継いだ家族が対応に困らないようにするため
死後に、インターネットバンキングやネット証券を利用していたことを家族が知らない場合、資産が把握できないため、相続上の問題が発生することが考えられます。
利用しているインターネットバンキングやネット証券の金融機関名やログイン情報などをわかるようにしておく必要があります。
デジタル終活をやらなかったときの4つのリスク
では、デジタル終活をやらなかったら、どのようなリスクがあるのでしょうか？
資産内容が分からず相続財産を把握できない
最近は、年齢にかかわらずインターネットバンキングやネット証券を利用している方が増えています。
インターネットバンキングやネット証券では、預金通帳や取引報告書などが紙の書類が発行されない場合があります。
インターネットバンキングやネット証券を利用していることを伝えておかないと、家族は存在すらわからず、手の打ちようがありません。
利用している金融機関名やログイン情報をわかるようにしておきましょう。
知人友人へ連絡ができない
紙のノートではなく、交友関係の連絡先をパソコンやスマートフォンで管理している人が多くなりました。
パソコンやスマートフォンで管理することは、修正・変更も楽であり、ペーパーレスなので、メリットも多いです。
しかし、パソコンやスマートフォン内に交友関係の連絡先を保存している場合、アクセスできないとアクセスの仕方がわからなくなってしまったら何もできません。
アクセス方法について、わかるようにしておきましょう。
死後にプライバシーに関する情報が知れ渡ってしまう
パソコンやスマートフォンの中にはたくさんの情報がつまっており、中には家族にも知られたくないものもあるはずです。
過去の異性との交際関係や家族に内緒にしていた行動など、気になることはありませんか？
パソコンやスマートフォン内に残されたデータや情報が引き金となって、家族内でもめ事が起きてしまったということも珍しくありません。
プライバシーに関する情報については、生前に早めに整理しておくことが肝心です。
有料サービスの利用料がいつまでも発生し続ける
利用者が亡くなっても解約の連絡ができないので、いつまでも利用料が発生してしまいます。
解約手続きができるよう、家族に必要な情報を伝えておくことが大切です。
デジタル終活はいつ始めるべきか？
終活というと人生の後半50〜60代になってから、とイメージしている方も多いのではないでしょうか？
終活は一度行ったら終わりというものではなく、よりよい人生を送るために、定期的に見直すものなので、早くから始めた方がメリットは多いです。
デジタル終活は年齢に関係なく、すぐに始めるべき活動
人間にはいつかは必ず死が訪れますが、それがいつなのかは誰にもわかりません。
パソコンやスマートフォンが頻繁に使用されている現代においては、目に見えないかたちで存在しているデータや情報がたくさんあります。
いつ自分にもしものことがあっても、家族がデータや情報の処理に困らないように、必要な情報をしっかりと伝えておかなければなりません。
また、他人に知られたくないデータや情報はきちんと整理して、トラブルを引き起こさないように、しっかりと管理しておく必要があります。
デジタル終活は若い人でも、すぐに始めるべきなのです。
デジタル終活のまとめ
以上、デジタル終活について、必要性や、やらなかったときのリスクを中心に説明いたしました。
デジタル終活は年齢に関係なく、すぐに始めるべき活動です。
パソコンやスマートフォンには、たくさんのデータや情報が保存されています。
データや情報は目には見えませんので、「伝える」ということをしておかなければ、自分以外の人は存在すらわかりません。
そして突然もしものことがあった場合には、家族は手の打ちようがありません。
もしものことがいつ起こってもトラブルが起きないように、必要なデータや情報の管理は早めにしっかりと行っておきましょう。
デジタル終活は、今すぐに始めるべきです。