MENU

終活でお墓を準備するメリット、デメリットを解説

「お墓」について考えたことがありますか?

死後に火葬されて納骨される場所といえばそれまでなのですが、「亡くなった人を偲ぶ場所」としての役割があります。

最近では「自分が生きてきた証」として、生きているうちに、自分の希望に合わせた「お墓」を建てる人が増えてきました。

この記事では、生前に「お墓」を建てることのメリット・デメリットについて解説しました。

終活では、「お墓」のことを欠かすことはできません。

生前に「お墓」を建てることについて考えるための参考にしてください。

目次

終活におけるお墓とは

「お墓」と聞かれて、誰もが共通して思うのは、遺骨の収納場所であるということではないでしょうか。

日本では、人が亡くなると、火葬され遺骨をお墓に納めるものと考えられているため、お墓を「死後の棲み家」と考えている人が多いようです。

多くの人がお墓参りをしますが、お墓には亡くなった人を偲ぶ場所としての役割があります。

また、時の経過とともに、亡くなった人のことは記憶から遠のいていきます。

そこで、最近では、自分が生きてきた証として何か形に残しておきたいと考え、生前にお墓を建てるという人が増えてきました。

終活とは、自分の人生の最後を意識しながら、これからの人生を自分らしく生きるための準備をして、亡くなった後に備えることです。

自分が生きてきた証として、生前にお墓を建てるということも、終活で行う大事なことのひとつといえます。

終活でお墓を準備するメリット

終活で、生前にお墓を準備しておくことのメリット・デメリットには、どのようなことがあるのでしょうか?

希望に合わせたお墓を建てることができる

「自分のお墓は、このようにしたい」という具体的な希望があるのであれば、自分が生きているうちに実行して、実現させるべきです。

しかし具体的な希望があったとしても、跡継ぎや費用などの関係で、その望みは叶わないことがあります。

そもそも死後になってしまっては、遺族に自分の希望を伝えることはできません。

お墓を建てるには、まず墓地を選びます。

遺骨は法律で決められた墓地以外に埋葬することはできません。

墓地の種類は大きく3つに分けられます。

  • 寺院墓地 寺院が檀家のために設けている墓地
  • 公営墓地 地方自治体が管理運営している墓地
  • 民営墓地 公益法人や宗教法人が運営し、宗教宗派を問わずに受け入れてくれる墓地

自宅の庭に勝手にお墓を建てて埋葬することはできません。

墓地の種類のほか、立地(墓地の場所)や墓地の形式(ガーデン墓地、芝生墓地、屋内墓地など)をどのようにするかも重要な要素です。

そして墓石業者や墓石の形を選びます。

お墓を建てるには、いろいろと決めなければならないことがあります。

生前に決めておけば、自分の希望に合わせたお墓を建てることができます。

遺族の負担を減らすことができる

生前にお墓を建てることにより、故人の希望が叶えられたと考え、遺族は、費用面も含めて、安心することができます。

もしも何の希望も伝えられていなかったら、遺族はどのようにすればよいのか悩み、場合によっては、もめ事になってしまうかもしれません。

葬儀までの限られた時間で、遺族がやらなければならないことはたくさんありますし、葬儀が終わった後でも、遺産分割の協議や遺品の整理などとても忙しい毎日が続きます。

お墓のことについて、生前に決めておけば、遺族の負担を減らすことができます。

相続対策にもなる

墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など、日常礼拝をしている物については、相続税はかかりません。

現金で持っていれば相続税の課税対象ですが、生前にお墓を建てれば、その分現金が減り、課税される相続財産を減らすことができます。

ただし、ローンでお墓を購入した場合、返済が完了する前に亡くなってしまうと、ローンの残額が債務として遺族に残ってしまうので注意が必要です。

かつては相続税は、たくさんの資産がある人だけに関係する問題とされてきました。

しかし法律が改正され、現在では3,000万円以上の資産がある人には無視できない問題となっています。

相続対策の面からも、生前にお墓を建てることのメリットが出てきました。

終活のデメリット

家族や親族とトラブルになる可能性がある

家族や親族に相談しないまま、自分ひとりで決めて生前にお墓を建てると、家族や親族とトラブルになる可能性があります。

すでに先祖代々のお墓があるのであれば、生前にお墓を建てるということは、自分ひとりだけの問題ではありません。

自分ひとりの判断で、勝手に生前にお墓を建ててしまうと、家族や親族はその存在を知らないまま、ずっと放置してしまうということが考えられます。

お墓を管理する人がいなくなるので、「墓じまい」や「無縁墓」になる可能性が出てきます。

そのようなことになれば、寺院や霊園にも迷惑がかかってしまいます。

のちのちにトラブルを引き起こさないためにも、家族や親族と、しっかりと話し合いをしておくことがとても重要です。

生前に購入できない墓地もある

寺院墓地や民営墓地では、生前に墓地の購入が認められるケースは多いのですが、公営墓地では、遺骨がないと生前に墓地の購入を認めない所もあるようです。

そもそも空きがなかったり、宗派が異なるため購入が認められない、ということもあります。

生前に墓地の購入ができるのか、事前に確認しておくことが重要です。

維持費・管理費がかかる

お墓は建てた時点から霊園や墓地の管理者が管理するため、たとえ遺骨が入っていなくても、維持費・管理費(相場:年間数千円~数万円)がかかってきます

生前にお墓を建てるメリットはありますが、あまりにも早くお墓を立ててしまうと、維持費・管理費を長く払わなければならないことになり、注意が必要です。

終活でのお墓の選び方

お墓を選ぶにあたっては、従来からある「一般墓」のほか、最近では「永代供養墓」や「納骨堂」などが増えてきました。

  • 一般墓・・・承継者を必要とし、墓石に名前などを刻む、従来型のお墓です。
  • 永代供養墓・・・継ぎのいらないお墓で、霊園や墓地の管理者が供養や管理をしてくれます。
  • 納骨堂・・・遺骨を一時的に預かる施設として昔からありましたが、最近では永代的に遺骨を預かることで、実質的にお墓と同じ役割を果たしています。

お墓を準備する流れ

では、「一般墓」、「永代供養墓」、「納骨堂」を準備する流れについて見てみましょう。

一般墓

一般墓では、通常、次のような流れでお墓を準備します。

①墓地の場所を決める

お墓を建てるには、まず墓地を決めます。

インターネットで検索したり、新聞や雑誌の広告などで候補地を見つけます。

なお、候補地までのアクセスや現地の状況など、実際に行ってみないとわからないことがあるので、面倒でも実際に自分の足で確かめるようにしましょう。

のちのちのトラブルにならないよう、単独では行動せずに、家族や親族も一緒に現地の確認に行くことが重要です。

②契約の締結をする

家族や親族から合意が得られたら、墓地の使用契約を締結します。

永代使用料(相場:数十万円〜100万円程度)や管理料を支払います。

③墓石業者・墓石を選ぶ

お墓の形といえば、従来は「和型墓」と呼ばれる日本式の形がほとんどでしたが、最近は「洋型墓」や「デザイン型墓」など、さまざまな形のお墓があります。

④開眼法要を行う

開眼法要を行うことにより、墓石に仏の魂が入り、墓石は単なる石から礼拝の対象となると考えられています。

ただし、通常、開眼法要は納骨するときに行うため、生前にお墓を建てた場合には不要とすることもあります。

永代供養墓

永代供養墓では、通常、次のような流れでお墓を準備します。

①納骨の方法を決める

永代供養の納骨方法には2つあります。

  • 33回忌までなどの一定期間は骨壺に入れたまま納骨され、一定期間が過ぎると合祀される方法
  • 最初から合祀される方法

なお、合祀とは、故人の遺骨を骨壺から取り出し、他の遺骨と一緒に埋葬することをいいます。

最初から合祀される方法の方が費用は安くなりますが、亡くなってすぐに他の遺骨と交ぜられてしまうので、注意が必要です。

②墓地の場所を決める

インターネットで検索したり、新聞や雑誌の広告などで候補地を見つけます。

なお、候補地までのアクセスや現地の状況など、実際に行ってみないとわからないことがありますので、面倒でも実際に自分の足で確かめるようにしましょう。

③契約の締結をする

家族や親族から合意が得られたら、契約を締結します。

納骨堂

納骨堂では、通常、次のような流れでお墓を準備します。

①場所を決める

インターネットで検索したり、新聞や雑誌の広告などで候補地を見つけます。

なお、候補地までのアクセスや現地の状況など、実際に行ってみないとわからないことがありますので、面倒でも実際に自分の足で確かめるようにしましょう。

②保管方法を選ぶ

納骨の保管方法としては、「ロッカー式」、「棚式」、「仏壇式」、「自動搬送式」などがあり、家族や親族と相談のうえ選択します。

③契約の締結をする

家族や親族から合意が得られたら、契約を締結します。

お墓がいらない人は?

とはいえ、すでに先祖代々のお墓があり、承継者についても問題がないのであれば、あえて生前にお墓を建てることを考える必要はないかもしれません。

お墓のことはとても大事なことなので、自分ひとりで決めるのではなく、家族や親族とよく話し合って決めるようにしましょう。

まとめ

以上、終活でお墓を準備するメリット・デメリット、お墓を準備する流れについてご説明しました。

終活では、お墓のことを欠かすことはできません。

生前にお墓を建てることのメリット・デメリットをしっかりと確認して、自分が希望するお墓を実現させましょう。

自分ひとりで決めるのではなく、家族や親族とよく話し合って決めることが何よりも大切です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次