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新しい葬儀スタイル「自然葬」とは?その種類や特徴について解説

  • 「自分が死んだら、遺骨は太平洋の海に散骨してほしい」
  • 「自分の遺骨は、夫婦で良く登山した思い出のある〇〇山に埋葬してほしい」
  • 「死後は、お墓ではなく、たくさんの花に囲まれた自然の中で眠りたい」

ともし自分が死んだ時の葬儀について考えたことはありませんか?

「死後は自然に還りたい」という思いを抱いている人は多くいらっしゃいます。

新しい葬儀スタイルとして「自然葬」が注目されています。

本記事では、自然葬の特徴や種類、メリット・デメリットについて解説していきます。

この記事を読んで「自然葬」について理解を深めてみてください。

目次

自然葬とは?

「自然葬」とは、人が亡くなった後、遺骨を墓地に納めずに、海や山などの自然に還すという埋葬法です。

自然葬の種類には、樹木葬、土葬、風葬、鳥葬、水葬、散骨があり、樹木葬と散骨が主流となっています。

自然葬が注目されている3つの理由

なぜ自然葬が注目されているのか、その理由について見てみましょう。

理由1 子や孫にお墓のことで面倒をかけたくない

少子化の影響でお墓の管理が難しくなってきています。

自然葬ではお墓を建てませんので承継者は不要になります。

お墓を跡継ぎする必要がないため、自分の代で完結させることができます。

理由2 葬式やお墓にお金をかけたくない

新しくお墓を建てる場合、一般的な相場では100~300万円ほどが必要と言われています。

自然葬であれば、埋葬するための費用や管理するための費用はかかりますが、お墓を建てることに比べれば負担を抑えることができます。

理由3 自然に還ることを願う人が増えている

慌ただしく過ごしてきた生前とは異なり、死後は自然に囲まれて穏やかに過ごしたいと思う人が増えています。

自然葬のメリット

では、自然葬のメリットやデメリットにはどのようなものがあるのか、見てみましょう。

子や孫がお墓の跡継ぎをしなくてよい

自然葬では、お墓を建てずに自分の代で完結させることができます。

お墓の跡継ぎのことで面倒をかけないで済むので、子や孫の負担を減らすことができます。

少子化・核家族化時代に適応した埋葬法といえます。

墓地を用意する必要がない

新しくお墓を建てると多額の費用がかかります。

自然葬ではお墓を建てる場合に比べて費用の負担を抑えることができます。

宗教的な制約がない

宗教や宗派の問題は複雑なので、制約を受けないことは大きなメリットといえるでしょう。

自然葬のデメリット

一般的な墓参りと法事が行えない

お墓がなく跡継ぎがいないため、子孫とのつながりが途絶えてしまうことが考えられます。

一般的な墓参りや法事が行えないことで、自然葬について親族から反対される可能性があります。

遺骨が残らない

いくら故人の希望とはいえ、海や山に散骨をしてしまうと遺骨が残りません。

散骨したことを遺族が後から後悔しても取り戻すことはできません。

違法になる場合がある

環境上の問題から散骨を禁止している地域があります。

自然葬が故人の希望とはいえ、違法になることがありますので注意が必要です。

自然葬の種類

自然葬の種類にはどのようなものがあるのか、その内容や特徴について見てみましょう。

樹木葬

樹木葬では、樹木がお墓の代わりを果たします。

1本の樹木に一人の遺骨だけが埋葬されるほか、家族など複数の遺骨を埋葬するケースもあります。

樹木葬では、お墓はありませんが樹木がその代わりを果たしますので、命日にお参りをすることができます。

墓地と同様に取り扱われるため、墓地としての許可を受けていないと樹木葬は行えません。

樹木葬による埋葬方法

樹木葬には3種類の埋葬方法があります。

①合祀型:一つの大きな区画に不特定多数の遺骨を埋葬します

②集合型:1~数本のシンボルツリーの周りに個別区画を設けて遺骨を埋葬します

③個別型:1区画につき1本の樹木を植えて遺骨を埋葬します 

     大きなスペースがとれる山間部の樹木葬で見られるタイプです

樹木葬の埋葬場所としては、「都市・霊園型」と「里山型」があります。

樹木葬のメリット

〇永代供養により、埋葬後の供養と管理は墓地管理者が対応してくれます

 永代供養料・永代使用料の相場としては、1人あたり20~80万円ほどです

〇お墓を建てるほど費用がかかりません

 一般的なお墓の相場は100~300万円ほどです

 樹木葬の相場は5~100万円ほどです

〇年間管理料がないところも少なくないです

 年間管理費の相場は8,000~2万円ほどです

樹木葬のデメリット

●一般的な墓参りや法事が行えないため、親族からの理解を得にくいところがあります

●埋葬料が1人あたりとなるため、埋葬する人数が増えると費用の負担が増えます

●雑草などによって埋葬場所が荒れやすく、特に自然災害で埋葬場所がわからなくなること があります

土葬

土葬は、遺体を火葬せずにそのまま土の中に埋葬します。

衛生面や合理性から火葬を推進している国や地域が増えてきていますが、キリスト教圏やイスラム教圏など、世界的に見れば土葬の地域が最も多いです。
日本でも土葬は禁止されていません。
しかし日本で土葬を行うには、土葬許可証を自治体から受け取り、埋葬予定の墓地管理者へ提出し、許可を得る必要があります。

法律上は可能なのですが、多くの地域で禁止条例が制定されており、できる地域が限定されているのが現状です。

土葬のメリット

〇「人は死んだら土に還る」という、回帰の思想に沿って埋葬することができます

〇火葬とは異なり燃料を必要としないため、環境に優しいと考えられます

土葬のデメリット

●埋葬するための多くの土地(ある程度の深さや広さ)が必要となります

●火葬しないため、遺体が腐ることによる衛生上の問題が発生します

風葬

風葬とは、遺体を自然にさらして消滅させる埋葬法です。
離島では火葬設備がないことや埋葬のための土地がないということから、かつては沖縄や奄美で行われていました。
現在風葬を採用しているところはほとんどありません。

鳥葬

長葬は、主にチベット地区で見られる埋葬法です。
チベット地区では木々が少ないため火葬ができず、また土が硬くて穴を掘ることも困難なため土葬もできないことから採用されています。
自然にさらされた遺体を鳥(主にハゲワシ)に食べさせて遺体を処理します。
チベット仏教では、遺体は魂の抜けた物体に過ぎないとされており、このようにして遺体を天へと送ると考えられています。
日本では鳥葬は禁止されています。

水葬

水葬は、遺体や遺骨を川や海に流す埋葬法です。
インドではヒンズー教徒がガンジス川で水葬を行っています。
日本では例外的に、船員が航海中に亡くなった場合のみ、火葬せずに水葬することが認められています。

散骨

散骨は、遺骨を粉末状にして、海や山にまく埋葬法です。
散骨をすると遺骨が残らなくなってしまうので、遺骨を墓へ納骨するものと、海や山に散骨するものに分けて供養する「分骨」が多くなっています。
日本の散骨は海にまく「海洋散骨」が主流です。

散骨のメリット

〇墓地が存在しないので、墓参りや後継者による跡継ぎが不要になります

〇お墓を建てるための費用や管理するための費用がかかりません 

散骨のデメリット

●墓地がなく、遺骨も残らないため、法事や供養がやりずらいということがあります

●いくら故人が望んでいたとしても、環境上の問題から、散骨が禁止されていることがあります。

負担する費用は散骨方法により異なります。

例えば海洋散骨では、「遺骨を粉末状に砕く費用」や「船のチャーター費用」などが発生します。

クルーザーなどをチャーターして、一家族のみで行う場合の費用の相場は20~40万円ほど、散骨を業者に任せてしまう場合の費用の相場は5~10万円ほどです。 

自然葬のまとめ

以上、新しい葬儀スタイルである「自然葬」の特徴についてご説明しました。

自然葬が注目されている理由として3つ考えられます。

①子や孫にお墓のことで面倒をかけたくない

②葬式やお墓にお金をかけたくない

③自然に還ることを願う人が増えている

自然葬は、お墓を建てることに比べて、費用の負担は抑えられますし、跡継ぎのことを心配することもないので、少子化・核家族化時代に適応した埋葬法と考えられます。

しかし、一般的な墓参りや法事ができなくなるなど注意しなければならないこともあります。

死後は自然に還りたいと多くの人が希望していますが、自然葬を選択するにあたっては、メリット・デメリットをしっかりと理解することが大切です。

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